光に満ちた中庭のおかげで、
外を気にせずくつろげる毎日

内に開かれた空間だから、カーテンいらずで開放的!

世界的に名高い高級石、“庵治石”の産地に程近い住宅街。石材加工のプロであるFさんの家は、
白い箱状のシンプルな外観。前面道路側には、窓がまったく見当たらない。
「交通量が多く、地域柄ダンプカーなどの大型車両も通るので、外からの視線や騒音を気にせず、気持ちよく過ごせる家にしたいと思いました」と語るFさん。

中に入ると、驚くほど明るく開放的な空間が広がっている。空へ抜ける中庭を取り囲む間取りになっているため、光が家じゅうに満ちあふれている。室内も中庭も白壁にすることで、反射光も効果的に採り入れた。
「外を気にしなくていいから、カーテンもいりません。裸で走り回っても平気です」と笑うFさん。中庭に面した窓は二重サッシになっているので、閉めれば騒音もシャットアウトできる。

奥様と幼い兄妹の4人家族で、思う存分リラックスした暮らしを楽しんでいるFさん一家。ウッドデッキが敷かれた中庭では、子どもたちがボール遊びをしたり三輪車を乗り回したり、夏はプールを置いて楽しむことも。第2のリビングのような団らん空間としても活躍している。

中庭からの光がたっぷり入るダイニングキッチン

中庭に面したダイニングキッチンは、家の中で一番明るい場所。「南側からの光がさんさんと入ってくるので、いつも気持ちよく作業できます」と奥様は語る。

晴れた日のここでの朝食は、家族が自然と笑顔になる時間。キラキラと光が差す中で、野菜サラダもフルーツも、たっぷりジャムを塗ったパンもとびきり美味しそう。今度の休みの予定や子どもたちからのおねだりなど、おしゃべりもついつい弾む。

キッチンとダイニングテーブルは一直線上に配置されていて、見た目もすっきり。悩んだ末のレイアウトだが、周りをぐるりと回遊できることもあり、とても使いやすい動線になった。「ここで食事の準備をしていると、娘がすぐ手伝いに来てくれるんです。踏み台に上って、卵をかき混ぜたり炒め物をしたり。好奇心旺盛な年頃なんでしょうね」と目を細める奥様。
1階は仕切りのないひと続きのLDK空間になっているため、キッチンにいても子どもたちの気配が分かるのがうれしいそう。

美しい庵治石のアイテムが、家のあちこちに

黒い革張りのソファが存在感を醸すリビングを始め、モノトーンを基本にしたインテリアも、Fさんのこだわりの現れ。モダンな空間にさり気なく溶け込んでいるのが、Fさんが手がけた庵治石のアイテムだ。ペンスタンドやサイドテーブルを始め、どれも庵治石の可能性を広げようと考えて製作したものばかり。

とりわけユニークなのが、スピーカーとギター。スピーカーは、電源を使わずに、硬質な庵治石の特徴を利用して反響させて音を増幅する仕組みで、実用化を目指してプロトタイプを製作中だ。また、世界に1台だけという庵治石ギターは、技術見本として作ったもの。外見の精巧さはもちろん、アンプコードまで備えていて、楽器としてもきちんと成立しているものだという。

石材のプロフェッショナルとして忙しい日々を送りつつ、我が家でくつろぐひとときを大事にしているFさん。リビングで息子さんとゲームをしたり、ワインセラーを利用したクワガタ飼育に夢中になったり、童心に返ってプライベートタイムを満喫している。
「2階に家族それぞれの個室は作ったんですが、みんな1階にいますね。子どもが小さいこともあって、今はリビング脇の和室で、全員が川の字になって寝ています」
中庭がもたらす明るく開放的な空間は、Fさん一家をこれからも温かく包み込んでくれるに違いない。

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