持続可能なカーボンニュートラルな社会の実現を目指して
リノベーションと言う言葉も最近では耳にすることも多くなったのではないでしょうか。リフォームとリノベーションでは、何が違うのでしょうか。リフォームとは、キッチンやトイレなどの設備を交換、修理したり、外壁が古くなっったものを塗装し直したり内装を修繕リニューアルすることで、建物の故障した個所や古くなった部分の交換、修理、塗装などしてきれいにしていき建物の問題を解決していく工事の事です。
一方、リノベーションとは表面的な内外装の刷新、設備の更新改修に加え、断熱性能と耐震性能の向上や今までとは全く違った発想で間取りを作り替えするなど、建物に新たな性能、機能、価値を生み出していく工事の事です。
どちらも建物を改修して改良していく事を指しますが、それぞれアプローチや内容は全く異なってきます。
断熱のグレード 性能向上リノベーション
長らく日本の家の断熱基準は特に基準が低く、世界的に見ても最低ランクの物でした。
まだまだ、指摘されている部分も多いですが、ようやく2025年以降は、全ての新築住宅に等級4以上が義務され、2022年まで最高等級だった等級4が最低等級となりそれ以下の住宅は建築できなくなります。さらに、2030年には断熱等級5が最低基準となる予定です。
新築に関してはどんどん良くなってきていますが、既存の住宅はどうでしょう。過去の建物の断熱基準を見てみましょう。
香川県は6地域に当たります。数値が小さいほど断熱性能がいいことを表しています。0.5くらいが今の新築住宅の当たり前の性能値くらいですので、2000年以前の建物は非常に断熱性能が弱いことが分かります。
耐震性能 性能向上リノベーション
耐震に関しても大災害を経験して、さまざまな基準が見直し、追加されてきました。
耐震に関して大きく分けると1981年以前の建物を「旧耐震基準」1981年以降の建物を「新耐震基準」、さらに2000年以降で「2000年基準」の3つに分類されます。1981年と2000年に建築基準法に耐震の要素が考慮され、大きく基準が変わった年になります。
総ストック数の25%の家が1980年以前の建物で、耐震基準が無いころの建築物になっています。
その頃の建物は、基礎に鉄筋が入っていなかったり断熱材がほとんど入っていないことも多いので、築45年以上経過していることもありリノベーションする場合はほとんど柱だけの状態までにして回収していく必要があります。それでも、物件によっては新築以上の風合いを持ちつつ高性能な建物に生まれ変わることもできます。
また、断熱の時と同じように2000年から耐震性能も考慮されてきている建物が増えてきます。それでも25年も前の基準ですので、震災後も住み続けられる家にするには改修を伴います(耐震等級3くらいまで向上したい)がフルスケルトンよりかは費用をかなり抑えれるかと思います。築25年、このあたりの物件がこれから中古市場に多く出てき始めると、費用対効果としても、リノベに関心を持ってくる人が増えてくるのではないでしょうか。
当然今の時点でも、新築以上にリノベ物件でコストと性能を両立させることができる物件も見つけることができると思います。性能向上リノベーションは新たな価値を住宅にも足らせてくれます。
新築住宅がかつてない程に高騰してきている時代に、手間と工夫で実現するリノベーション物件。
これからの住宅選択の主役になってくるかもしれません。