建物の構造計算を行う際に、「地域係数」という値がある事を知らない方も多いのではないでしょうか。
これは「地震の頻度が高い地域」に 1.0 として、以下、それに比べて「相対的に地震が発生しにくいと思われる地域」を 0.9・0.8・ 0.7 という指数で表わして区分し、それらの地域ではその指数に応じて設計地震力を低減してもよいとされているのです。その具体的な数値は国交省の告示によって決められています。
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ちなみに香川県はほとんどが0.9で詳しく見ると三木町より東が1.0となっています。
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ただ、こちらの基準は1952年(昭和27年)に告示されたもの。全くのデタラメなことはないのですが、実際その後に起こった大地震は、係数が低いところでも多く信憑性が低いように思われます。
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そもそも県単位とかのレベルではなくて、地震の震央分布で見ると日本はどこでもいつ地震が発生してもおかしくない地域なのです。地域係数で低減なんて考えはなくした方がいいですね。
普段、BLOGでも許容応力度計算の耐震等級3を強くお勧めしていますが、こちらももちろん低減しないで構造計算することが大切です。
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せっかく構造計算を行い、許容応力度計算の耐震等級3を目指しても低減をかけてしまうともったいないですよね。
いつ地震が来てもおかしくありません。特に新築で木造住宅を計画していく人は耐震等級3は必須だと思います。一棟でも多く安心な家が増えるように地域に貢献していきたいです。