香川県でも耐震化重点エリアを設定。
今朝の新聞記事に、全市町で重点地区を設定と言う記事が載っていました。
香川県内の住宅の耐震化率は82%。全国水準よりは低いが、なんだかほとんどの住宅が耐震性のあるイメージに受け止めれます。
デジタル大辞泉によると、住宅耐震化率とは昭和56年(1981年)に導入された建築基準法の耐震基準に基づき、全ての住宅のうち耐震基準を満たしている住宅の割。とあります。
私共のBLOGでも何度か紹介してきましたが、1981年と2000年に耐震に関する基準が大きく改正されました。1981年以前の建築基準法には耐震に関する考えがなかったわけではありませんが、1981年5月31日以前の確認申請を受けた建物は「旧耐震基準」と位置付けられて耐震性能が低くなっています。
木耐協HPより
ここで注意してほしいのが、上の図だと2000年以降の建物なら安心という印象を受けるかもしれませんが、安心と言うわけではありません。
建築基準法の定義
では、現状の建築基準法ではどのような基準となっているのでしょうか。今の基準なら大地震が来てもどの家も全然大丈夫で、住み続けられると思っていませんか。。。
残念ながら現在の建築基準法ではそこまで要求されていないのです。
建築基準法の最初にこのように書かれています。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
建築基準法では、最低の基準を定めているのであって、最適の基準を定めているのではないのです。
なんとなく、法律はいいように決めていくれている気がする方も多いと思いますが、残念ながら現実は最低基準なんです。
では、その最低基準とはどんなレベルの物なのでしょうか。
構造塾セミナー資料より
建築基準法(耐震等級1)の耐震性能とは、
震度5強程度の地震に対して構造躯体が損傷しない
震度6強から震度7の地震に対して(1回だけ)倒壊、崩壊しない
・・・こういったレベルのイメージです。
1981年以降でも2000年以降でも新耐震基準でこのくらいの耐震性能です。
建築基準法の建物だと大きい地震の際、一回は倒壊せずに命を守ってくれるが住み続けることはできない。そんな感じの耐震性能なのです。
全国どこかで毎年のように大きな地震に見舞われる日本。地震が来ても住み続けられる家がおすすめです。
構造安全を確認する方法
構造塾セミナー資料より
最低基準の建築基準法(耐震等級1)ではなく、許容応力度計算の耐震等級3が最適基準でありお勧めしています。
品確法での耐震等級3でも熊本地震の際、震度7が2回も発生する想定外の事態でも住み続けられる調査結果も出ています。
古い建物を耐震等級3までもっていくには、柱や梁だけのスケルトン状態にして耐震補強をしていく必要があります。ただ、耐震補強は低コスト工法など方法もさまざまあり、行っただけ耐震性は向上していきます。
地元の工務店として、少しでも耐震性のある建物を増やしていきたい思いが非常に強くあります。新築だと耐震等級3が当たり前。古い建物も現在の建築基準法くらいの性能があると、大きな災害が来た時も被害を少なく抑えていけます。
耐震性に不安のある方、お声掛けください。すこしでも安心できる我が家にしていきましょう。