家づくりを考えていると、
「断熱等級6の家にしたい」
「断熱性能は高いほうがいいですよね?」
という話を聞くことがあると思います。
確かに、断熱性能はこれからの家づくりにおいて、とても大切な性能のひとつです。
でも、私たちはお客様にこうお話ししています。
「断熱等級6という数字だけで、本当に快適な家だと判断していいのでしょうか?」
実は、同じ「断熱等級6」の家でも、その性能や住み心地には違いがあります。
今日は、私たち井坂工務店が考えている「本当に心地よい家」について、少しお話ししたいと思います。
断熱等級6なら、どの家も同じ?
住宅の断熱性能を表す「断熱等性能等級」。
数字が大きくなるほど、基本的には断熱性能が高くなります。
そのため、
「等級6なら安心」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家の快適さは、断熱等級の数字だけで決まるものではありません。
例えば、
- 家にどのくらい隙間があるのか
- 断熱材はどのように施工されているのか
- 窓はどんな性能なのか
- 夏の日射をどう防ぐのか
- 冬の日射をどう取り込むのか
- 壁の中で結露する可能性はないのか
- 実際の現場で、設計通りに施工されているのか
こうしたことも、実際の住み心地や家の耐久性に大きく関係します。
つまり、
「等級6だから大丈夫」ではなく、どんな方法で等級6を実現しているのか。
そこまで見ることが大切だと私たちは考えています。
「UA値」だけを小さくすればいいわけではありません
断熱性能を表す数字として、よく聞くのが「UA値」です。

UA値は、住宅の外皮からどのくらい熱が逃げやすいかを示す数値です。
数字が小さいほど、熱が逃げにくい住宅ということになります。
では、
UA値をできるだけ小さくすれば、最高に快適な家になるのでしょうか?
私たちは、そう単純ではないと考えています。
例えば、UA値を小さくすることだけを優先して、窓を極端に小さくしてしまったらどうでしょうか。
窓は、
- 光を取り入れる
- 風を取り入れる
- 外の景色を楽しむ
- 季節を感じる
- 冬には太陽の熱を取り入れる
という、家にとって大切な役割があります。
断熱性能を高めることはもちろん大切です。
しかし、
数字を良くするために、暮らしの豊かさを犠牲にしてしまっては意味がありません。
私たちは、断熱性能と暮らしやすさ。
その両方を大切にしたいと考えています。
壁を充填断熱のみにとどめ、窓の数や大きさをムリヤリ小さくすることで、なんとか等級6のUA値を図
面上で確保している住宅のことを東京大学の前先生なんかは「ギリギリの6」と呼んだりされています。

「気密性能」も大切です
家の断熱性能を考えるとき、もうひとつ大切なのが「気密」です。
どれだけ断熱材をしっかり入れても、家に隙間がたくさんあれば、せっかくの断熱性能を十分に活かすことができません。
冬に暖房しても暖かい空気が逃げてしまい、冷たい外気が入り込む。
夏には湿った外気が住宅内部に入り込むことで、結露のリスクにつながることもあります。
だから私たちは、断熱性能だけでなく、
「どれだけ隙間の少ない家をつくれているか」
ということも重要だと考えています。
設計段階で性能を計算するだけではなく、実際に建てた家で気密測定を行う。
数字上の性能だけではなく、
「実際にその性能が出ているか」
を確認することが大切です。気密がとれていないのに等級6を名乗る住宅のこと。すべての断熱等級に
気密の規定がないために、このような「ニセモノの6」も横行しています。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのが「夏」です
高断熱住宅というと、どうしても「冬暖かい家」というイメージが強いかもしれません。
しかし、香川県で家を建てるなら、夏のことも同じくらい真剣に考える必要があります。
香川の夏は、厳しい暑さになります。
高断熱の家は、冬の熱を逃がしにくい一方で、夏に一度入ってしまった熱も逃がしにくくなります。
そのため、
「断熱性能を高めれば、夏も自動的に涼しくなる」
というわけではありません。
夏の快適性を考えるためには、
- 窓から入る日射をどう遮るか
- 西日をどうコントロールするか
- 庇や外付けの遮蔽をどう考えるか
- 窓を開けて涼しくできる時期をどう活かすか
- 家の中に入った熱をどう逃がすか
などを、家の設計段階から考える必要があります。
私たちは、
冬は暖かく、夏は暑くなりにくい家。
その両方を目指しています。
だから私たちは「ゆとりの断熱等級6」を考えています
では、井坂工務店はどのくらいの断熱性能を目指しているのでしょうか。
私たちが考えているのが、
「ゆとりの断熱等級6」
という考え方です。
断熱等級6の基準を、ただギリギリでクリアする。
それではなく、断熱性能に余裕を持たせる。
私たちの場合、住宅の条件にもよりますが、5地域以南では、
UA値0.30~0.35程度
をひとつの目安として考えています。
ただし、私たちが大切にしているのは、UA値だけではありません。
断熱性能だけを高めるのではなく、
気密性能。
窓の性能。
断熱材の施工。
結露への配慮。
夏の日射遮蔽。
冬の日射取得。
自然の風を活かすこと。
そうしたことを、ひとつひとつ考えて家をつくっています。
「高性能住宅」とは、数字が高い家のことではない
私たちは、高性能住宅という言葉を、
「UA値が小さい家」
だけだとは考えていません。
本当に大切なのは、
その性能が、実際の暮らしの中で活かされていること。
そして、
何十年先も安心して住み続けられること。
だと思っています。
どれだけ高性能な材料を使っても、施工がきちんとできていなければ意味がありません。
どれだけ断熱性能が高くても、夏の日射を考えていなければ、暑くなってしまうかもしれません。
どれだけUA値が良くても、窓を小さくして暮らしにくくなってしまえば、本当に良い家とは言えないかもしれません。
だからこそ私たちは、
「数字だけでは見えない部分」
を大切にしています。

家は、建てた瞬間が完成ではありません
私たちが家づくりで大切にしていることがあります。
それは、
「家は、建てた瞬間が完成ではない」
ということです。
家族が暮らし始めて、
10年。
20年。
30年。
そして、その先へ。
家族の暮らしとともに、家も時間を重ねていきます。
だからこそ、今の性能だけではなく、
「この家は、これから何十年も安心して住み続けられるだろうか」
という視点で家づくりを考えています。
断熱性能。
気密性能。
結露への配慮。
施工精度。
素材の耐久性。
メンテナンスのしやすさ。
そして、住む人が愛着を持てること。
それらすべてが、長く住み継ぐために必要なものだと考えています。
本当に心地よい家を、一緒に考えませんか?
家づくりを考えるとき、
「断熱等級はいくつですか?」
と聞くことも大切です。
しかし、それだけではなく、
「その性能を、どのように実現していますか?」
と聞いてみてください。
「気密性能は測っていますか?」
「夏の暑さについては、どのように考えていますか?」
「窓は、なぜその大きさや位置なのですか?」
「壁の中の結露については、どのように考えていますか?」
こうした質問をしてみると、それぞれの会社がどんな考え方で家をつくっているのかが見えてくると思います。
井坂工務店では、お客様とのお打ち合わせの中で、こうした住宅性能についても、できるだけ分かりやすくお話ししています。
「数字だけではなく、実際に心地よく暮らせる家をつくりたい。」
そんな思いで、私たちは香川の気候と風土に合った家づくりを考えています。
高性能であること。
自然素材であること。
そして、長い年月をかけて、家族とともに味わいを増していくこと。
それらを大切にしながら、
「永く住み継ぐ木の家を。」
井坂工務店は、地域に根ざした工務店として、一棟一棟丁寧に家をつくっています。


