こんにちは。高松市の井坂工務店です。
まだまだ暑さが続く季節。
家づくりを考えるとき、断熱性能や気密性能に注目される方は多いと思います。
もちろん、断熱性能を高めることは大切です。
しかし、夏の暑さを考えるとき、もうひとつ重要なのが「日射遮蔽」です。
太陽の光がどのように熱となり、家の中を暑くしていくのか。
今回は、熱の伝わり方の基本から、夏を快適に過ごすための家づくりについて考えてみたいと思います。
1.太陽の光は、どのように熱になるのか
まず、太陽の光そのものが、空気を直接温めているわけではありません。
太陽から届く光にはエネルギーがあり、その光が物に当たって吸収されることで、物の温度が上がります。
例えば、夏の道路や外壁、屋根などが熱くなるのも、このためです。
太陽の光が当たった物の表面で熱に変わり、その熱が周囲に伝わっていきます。
住宅の場合、屋根や外壁、窓などに太陽の光が当たることで、室内の温度上昇につながります。
特に注意したいのが窓です。
窓ガラスを通して太陽の光が室内に入ると、床や家具などに吸収され、熱に変わります。
そして、温められた床や家具から熱が放出され、室内の温度が上がっていきます。
つまり、夏の暑さを防ぐためには、室内に入ってきた熱を冷やすだけでなく、そもそも太陽の熱を室内に入れない工夫が大切なのです。
2.熱の伝わり方には3つの種類がある
熱の伝わり方には、大きく分けて3つの種類があります。

① 放射(輻射)
太陽の光のように、電磁波によって熱エネルギーが伝わることです。
太陽の熱は、空気を介さずに地球まで届きます。
住宅では、窓から入った太陽光が床や家具に当たり、それらを温めます。
また、温められた床や壁、家具などからも、赤外線によって周囲に熱が伝わります。
② 伝導
物から物へ、熱が伝わることです。
例えば、夏に熱くなった屋根や外壁の熱が、材料を通して室内側へ伝わることが挙げられます。
住宅では、断熱材によって、この熱の伝わりを少なくしています。
③ 対流
空気や水などの流れによって、熱が運ばれることです。
例えば、温められた空気は上昇し、冷たい空気は下降する性質があります。
また、窓や壁の表面で温められた空気が動くことでも、室内に熱が伝わります。
住宅では、断熱性能を高めることに加えて、隙間からの空気の出入りを抑えることも大切です。
このように、熱はひとつの方法だけで伝わるわけではありません。
太陽の光によって物が温まり、その熱が材料や空気を通して室内へ伝わっていきます。
3.断熱性能が高い家でも、夏に暑くなる理由
「断熱性能が高い家なのに、夏は暑くなることがある」
そんな話を聞いたことはありませんか。
断熱とは、熱が伝わるのを少なくすることです。
夏であれば、外の暑さが室内に伝わるのを抑えます。
しかし、断熱性能を高めても、太陽の光が窓から室内に入ってくることまでは防げません。
窓から入った太陽光が床や家具を温め、その熱が室内に蓄えられていくと、冷房を使ってもなかなか室温が下がらないことがあります。
高断熱住宅は、外からの熱を伝えにくくする一方で、室内に入った熱も逃げにくくなる場合があります。
だからこそ、夏の家づくりでは、断熱性能だけでなく、日射遮蔽を合わせて考えることが重要なのです。
4.日射遮蔽は、窓の外で考える

では、どうすれば太陽の熱を室内に入れずに済むのでしょうか。
大切なのは、太陽の光が窓ガラスを通過する前に遮ることです。
例えば、窓の室内側にブラインドを設置した場合。
太陽の光は一度ガラスを通過し、室内側のブラインドに当たります。
ブラインドが熱を吸収すると、その熱の一部は室内に放出されます。
もちろん、室内側のブラインドにも日射を抑える効果はあります。
しかし、太陽の光がすでに窓を通過しているため、室内に熱が入ることを完全には防げません。
一方、窓の外側で太陽の光を遮ることができれば、窓ガラスを通して室内に入る熱を大きく減らすことができます。
外付けブラインドや外付けスクリーン、庇、オーニングなどが有効なのは、このためです。
特に日差しの強い夏は、窓の外で日射を遮ることが、室温の上昇を抑えるうえで重要になります。
5.植栽も、日射遮蔽の大切な要素

井坂工務店では、家づくりを考えるとき、建物だけでなく庭や植栽も大切にしています。
植栽には、暮らしに豊かさを与えてくれるだけでなく、日射遮蔽という役割もあります。
例えば、窓の前に落葉樹を植えることで、夏は葉が日差しを遮り、冬は葉が落ちて太陽の光を室内に取り込みやすくなります。
また、窓の外に適切な日陰をつくることで、室内に入る日射熱を抑えることにもつながります。
もちろん、植える場所や樹木の大きさ、窓の向きによって効果は変わります。
だからこそ、建物の設計と合わせて、庭や植栽の計画を考えることが大切です。
6.夏も冬も快適に暮らすために
日射遮蔽は、夏だけを考えればよいわけではありません。
夏は太陽の熱を遮り、冬は太陽の熱を上手に取り込む。
この両方を考えることが大切です。
例えば、南側の窓に庇を設けることで、太陽高度の高い夏の日差しを遮りながら、太陽高度の低い冬の日差しを取り込みやすくすることができます。
ただし、窓の向きや大きさ、周囲の建物、庇の長さによって、日射の入り方は変わります。
また、東西の窓は朝や夕方の低い角度から日差しが入るため、南側とは違った対策が必要になります。
窓の性能を高めることはもちろん大切ですが、どこに窓を設け、どのように日差しを取り入れ、どのように遮るか。
こうした設計の工夫が、住まいの快適さにつながります。
7.性能の数字だけではなく、熱の動きまで考える
家づくりでは、UA値やC値といった性能の数字が注目されます。
もちろん、これらは住まいの性能を考えるうえで大切な指標です。
しかし、実際に快適な暮らしを実現するためには、数字だけでなく、太陽の光や熱がどのように家に入り、どのように伝わるのかを考える必要があります。
断熱性能を高める。
気密性能を高める。
そして、夏の日射を遮り、冬の日射を上手に取り込む。
井坂工務店では、建物の性能だけでなく、窓の配置や庇、植栽なども含めて、住まい全体で快適な暮らしを考えています。
家は、建てて終わりではありません。
その先の暮らしが、少しでも快適で豊かなものになるように。
これからも、性能と設計の両面から、住まいづくりを考えていきたいと思います。


