こんにちは。高松市の井坂工務店です。
家づくりを考えるとき、間取りやデザインと同じくらい大切なのが「断熱性能」です。
夏は涼しく、冬は暖かい。一年を通して快適に暮らせて、冷暖房にかかるエネルギーもできるだけ抑えられる。そんな住まいをつくるために、断熱は欠かせません。
ところで、皆さんはこんな疑問を持ったことはありませんか?
「壁の中に断熱材をしっかり入れているのに、なぜ住宅によって断熱性能に差が出るの?」
実は、その理由の一つに、壁の中にある「柱」や「間柱」が関係しています。
私たち井坂工務店が考える「付加断熱」の大切さについてお話しします。
香川県でも人気の平屋。余談です。。

余談となりますが、最近平屋がほんとに人気で、2025年(令和7年)の国土交通省「建築着工統計」の一次データから、特に香川県は全国三位の比率となっております。
壁の中の木材の割合
断熱性能は家全体で、換気や空調、日射等々に様々な要因によって影響を受けます。
今回は分かりやすくするために、壁だけについて考えていきます。
壁の断熱方法には、充填断熱と充填断熱+付加断熱、外断熱とあります。

三つの壁の断熱方法の図です。
木造住宅で一般的なのが「充填断熱」です。
柱と柱の間に断熱材を入れ、室内の熱が外へ逃げにくいようにする方法です。
しかし、ここで少し考えてみてください。
柱と柱の間には断熱材を入れられますが、柱そのものがある場所には、同じ厚みの断熱材を入れることができません。
つまり、壁の中には、断熱材が入っている部分と、柱や間柱などの木材がある部分が存在します。
木材にも断熱性はありますが、高性能な断熱材と比べると熱を伝えやすい材料です。
そのため、断熱材が入っている部分と比べると、柱や間柱の部分は熱が伝わりやすい経路になります。
このように、断熱材の入っている部分よりも熱が伝わりやすくなる部分を「熱橋(ねっきょう)」と呼びます。
英語では「ヒートブリッジ」ともいいます。
せっかく高性能な断熱材を入れていても、柱や間柱などの部分から熱が伝わりやすくなっている。
断熱材と柱(木)・柱(鉄)などでは伝わり方が全然違うんです。

断熱材を1とすると、木材は断熱材の3~4倍熱を通しやすく、鉄だと1300倍も通しやすくなります。
大手のプレハブメーカーさんが断熱が弱い理由がよくわかります。
30坪の平屋で考える、壁の中の木材の割合
例えば、延床面積が約30坪、外壁面積が約150㎡の平屋を想定してみましょう。
今回のモデルケースでは、柱に105mm角の木材を50本、間柱に厚さ40mmの木材を50本使用するほか、外周部の土台や梁などにも木材が使われています。梁、土台で約15㎡、柱、間柱で約20㎡ 木部合計で約35㎡ほどになります。外壁150㎡とすると、20%以上が熱橋に当たることになります。
もちろん、実際の住宅では柱の高さや間柱の配置、窓の数、壁の構成などによって条件は変わります。
一般的な木造軸組工法の外壁について、断熱計算上、柱や間柱などの熱橋部分を外壁面積の約17%として扱う例があります。
この割合を外壁面積150㎡に当てはめると、次のようになります。
- 断熱材が入る一般部分:約124.5㎡
- 柱や間柱などの熱橋部分:約25.5㎡
※上記は計算上の面積割合を当てはめた目安であり、実際の木材面積を測定した数字ではありません。また、すべての住宅に一律に当てはまるものではありません。
こうして考えると、柱や間柱などの部分は、決して無視できるものではありません。
もちろん、木材部分に断熱性能がまったくないわけではありません。しかし、壁全体の断熱性能を高めるためには、断熱材の性能だけでなく、木材部分からの熱の移動も考える必要があります。
断熱材を厚くすることも大切ですが、それと同時に、熱が伝わりやすい部分をどう補うかが重要なのです。
そこで考えたいのが「付加断熱」です
では、柱や間柱などの部分から熱が伝わりやすくなる問題を、どうすれば改善できるのでしょうか。
その有効な方法の一つが「付加断熱」です。
付加断熱とは、柱と柱の間に断熱材を入れる充填断熱に加えて、建物の外側にも断熱材を施工する方法です。
イメージとしては、家全体を外側からもう一枚の断熱材で包み込むようなものです。
充填断熱だけの場合、柱や間柱の部分は、断熱材が入っている部分に比べて熱が伝わりやすくなります。
一方、外側に付加断熱を施工すると、柱や間柱を含む壁全体を外側から覆うことができます。
その結果、木材部分から伝わる熱の影響を小さくし、壁全体の熱損失を抑えることができます。
もちろん、付加断熱を採用すれば、すべての熱橋がなくなるわけではありません。窓まわりや壁と屋根の接合部なども含め、断熱層をできるだけ連続させる設計と丁寧な施工が必要です。
それでも、充填断熱だけでは対策しにくい部分を外側から補えることは、付加断熱の大きなメリットです。
断熱材を増やすだけではなく、熱が逃げやすい部分まで考えて断熱する。
これが、私たちが付加断熱を大切に考える理由の一つです。
付加断熱は、冬の暖かさだけでなく夏の快適さにもつながります
断熱というと、冬に暖かく過ごすためのもの、というイメージがあるかもしれません。
しかし、香川県のように夏の暑さも厳しい地域では、夏の快適性についても考える必要があります。
夏は、外気の熱が壁や屋根などを通して室内に伝わります。断熱性能を高めることで、こうした熱の移動を抑え、冷房によって整えた室温を保ちやすくなります。
冬は室内の熱が外へ逃げにくくなり、夏は外の熱が室内に伝わりにくくなる。
こうした効果によって、住宅の仕様や暮らし方によっては、冷暖房の負担を抑えることも期待できます。
ただし、夏の快適性は断熱だけで決まるわけではありません。
窓から入る日射を遮るための軒や庇、窓の配置、日射遮蔽性能の高いガラス、適切な換気計画なども重要です。
断熱と日射対策を組み合わせることで、一年を通して快適に暮らせる住まいを目指すことができます。
断熱材の厚みだけでなく、「連続性」が大切です
断熱性能を高めようとすると、断熱材の種類や厚みに注目しがちです。
もちろん、それらは非常に重要です。
しかし、もう一つ大切な視点があります。
それは、断熱材が建物全体で途切れずにつながっているかどうかです。
例えば、壁の断熱性能を高めても、柱や間柱の部分で熱が伝わりやすかったり、壁と屋根、壁と床の取り合い部分で断熱層が途切れたりしていれば、そこが熱の逃げ道になる可能性があります。
また、窓や玄関ドアなどの開口部も、建物全体の断熱性能を考えるうえで重要です。
だからこそ、壁だけを考えるのではなく、屋根や天井、床、窓なども含めて、建物全体として断熱性能を高めることが大切です。
付加断熱を採用する場合も、断熱材を外側に施工すればそれだけで十分というわけではありません。
防水や通気の計画、壁の内部で結露が生じないための設計などにも配慮する必要があります。
断熱材の性能を十分に発揮させるためには、材料選びと同じくらい、設計と施工の両方が重要になります。
完成したら見えなくなる場所こそ、大切にしたい
家づくりでは、外観や間取り、キッチンなど、目に見える部分に注目しがちです。
もちろん、それらも大切です。
しかし、実際に住み始めてからの快適さを左右するのは、完成すると見えなくなる壁の中のつくりでもあります。
断熱材は何を使うのか。どのくらいの厚みが必要なのか。そして、柱や間柱などの熱が伝わりやすい部分をどう補うのか。
こうした一つひとつの積み重ねが、住まいの性能につながります。
私たち井坂工務店は、単に断熱材を入れるだけではなく、熱が逃げやすい部分にも目を向け、家全体として断熱性能を高めることが大切だと考えています。
もちろん、すべての住宅で付加断熱が必須というわけではありません。ご予算や建物の仕様、目指す断熱性能に合わせて、適切な断熱方法を選ぶことが重要です。
そのうえで、より高い断熱性能を目指すなら、付加断熱はぜひ検討していただきたい方法の一つです。家は、建てて終わりではありません。これから何十年と暮らしていく場所です。
だからこそ、完成すると見えなくなる部分にもこだわり、長く快適に暮らせる住まいをつくりたい。
それが、私たち井坂工務店の家づくりへの思いです。
高松市で平屋を建てたい方、断熱性能にこだわった家づくりをお考えの方は、ぜひ井坂工務店にご相談ください。
目に見えるデザインだけでなく、壁の中のつくりから、一緒に考えていきましょう。


