こんにちは、井坂工務店です。
わが家の庭に植えている、ユーカリポポラス。
これまでもブログに登場していますが、春に強剪定をして、ずいぶんスッキリとした姿になっていました。
ところが、夏の間にしっかりと枝葉を伸ばし、気がつけば窓の前に豊かな緑が広がっていました。
夏の強い日差しを遮ってくれる、頼もしい存在です。
(6月にバッサリ切った状態)


そして、これから迎える冬。
今度は、できるだけ太陽の光を室内に取り込みたい季節です。
そこで今回は、太陽の動きや木のプロポーションを考えながら、枝を間引くように剪定を行いました。
ただ小さくするのではなく、夏には日差しを和らげ、冬には太陽の光が差し込むように。季節によって役割が変わることを意識したお手入れです。

冬至の頃の耐用の動きに合わせて剪定していきました。
冬は太陽の熱を取り込み、夏は太陽の熱を遮る
実は、この考え方は庭木だけでなく、家の窓にも共通しています。
高松市では、太陽が真南に来たときの高さは、冬至に約32度、夏至に約79度になります。
冬は太陽が低い位置を通るため、南向きの窓から日差しが室内の奥まで届きやすくなります。
一方、夏は太陽が高い位置を通ります。南向きの窓は庇などで日差しを遮りやすい反面、東向きや西向きの窓には、朝夕の低い角度から強い日差しが入り込みます。
だからこそ、窓の性能だけでなく、太陽の動きに合わせた日射取得と日射遮蔽が大切なのです。
冬の太陽は、こたつに匹敵する熱を運んでくる?
例えば、幅1.65m×高さ2.00m、面積3.30㎡の南向き窓を考えてみます。
日射強度を計算用に800W/㎡と仮定すると、冬至の南中時には、窓全体に約2,230Wの直達日射が当たる計算になります。
LIXIL TWのトリプルガラスを想定し、窓全体の日射熱取得率を45.6%とした場合、室内に入る熱は約1,020Wです。
これは、消費電力600~1,000W程度のこたつや電気暖房器具に匹敵する熱出力です。
もちろん、実際の室温の上がり方は住宅の断熱性能や蓄熱性、日射条件などによって変わります。それでも、窓から入る太陽の熱には、これほどの力があるのです。
夏の東西窓は、外側で日差しを遮る
反対に、夏は窓から入る太陽の熱を抑える必要があります。
同じ3.30㎡の窓に、日射強度800W/㎡の直達日射が正面から当たると仮定すると、窓に入射する日射の出力は約2,640W。
日射熱取得率45.6%なら、室内に入る熱は約1,200Wになります。
これは1,000W級の電気暖房器具に匹敵する熱出力です。
特に東西面の窓は、朝日や西日が低い角度から差し込むため、庇だけでは十分に遮れないことがあります。
そこで大切なのが、太陽の熱が窓を通過する前に、窓の外側で遮ること。
外付けシェードや外付けブラインドはもちろん、昔ながらの「よしず」や「すだれ」も有効な方法です。
昔の人たちは、夏の日差しを和らげながら風を通す工夫を、暮らしの中で自然に実践してきました。現代の高性能な窓と、こうした昔ながらの知恵を組み合わせることにも、大きな意味があると思います。

庭も窓も、季節に合わせて太陽と付き合う
今回のユーカリポポラスの剪定も、ただ枝葉を減らすことが目的ではありません。
夏の間は豊かな葉で日差しを和らげ、冬は太陽の光をできるだけ室内へ届けたい。そのために、太陽の通り道と木の姿を考えながら、枝を選んで間引きました。
庭木は、季節の移ろいを感じさせてくれるだけでなく、住まいに入る光や日差しにも関わっています。
家づくりも同じです。
- 冬は、南向きの窓から太陽の熱を取り込む。
- 夏は、特に東西面の窓を中心に、外側で日射を遮る。
- 庭木や庇、シェードなども活用し、季節に合わせて太陽と付き合う。
断熱性能の高い窓を選ぶことはもちろん大切ですが、それだけでなく、太陽の動きや敷地の条件まで考えることで、より心地よい住まいに近づきます。
井坂工務店では、建物の性能だけでなく、庭や窓から入る光、季節ごとの日差しまで考えた家づくりを大切にしています。
わが家のユーカリポポラスも、これから季節とともにどんな表情を見せてくれるのか楽しみです。
庭の木を整えることから、住まいの快適さを考えてみる。
そんな暮らし方も、いいものですね。
※日射熱の数値は、窓面積3.30㎡、法線面日射強度800W/㎡、窓全体の日射熱取得率45.6%を仮定した試算です。実際の熱取得量は、天候、方位、時刻、ガラス仕様、周辺環境などによって異なります。


